認知デブリーフィングとは?


Cognitive Debriefing-認知デブリーフィングとは

Cognitive Debriefingを直訳すると「認識し、理解したかどうかについて報告を受けること」です。意訳すると「理解して貰えたか検証すること」と言ったことになります。専門用語なのでここでは「認知デブリーフィング」と呼びます。

認知デブリーフィングの対象

私たちが認知デブリーフィングの対象としているものの代表的なものは、

治験の際に、患者様方に答えて頂く質問票です。


質問票というのは、アンケート調査と同様のもので、例えば
『あなたはこの投薬方法についてどうおもいますか?』などと言った質問が並んでおり、それぞれの質問に対し、
『1.便利である、2、多少便利である、3.どちらでもない、4.多少不便である、5.とても不便である』
といった答えが準備されているものです。

この質問票の答えは重要なPatient-Reported Outcome("PRO", 患者から直接もたらされた情報のこと。『患者報告アウトカム』と訳されることも多いです。)データに位置付けられており、正確なデータを収集するために、正確な質問票を作ることが、治験薬の審査をする米国食品医薬品庁("FDA", Food and Drug Administration)により求められています。
質問表以外にも重要なPROは認知デブリーフィングの対象となります。

認知デブリーフィングの目的-言語検証プロセス(Linguistic Validation)

認知デブリーフィングに参加される方々から、『何故プロの翻訳者に翻訳を依頼しないのか?』と言った誤解を受けます。

勿論、翻訳文はその分野の経験豊かなプロの翻訳家が翻訳しています。

ではプロの翻訳者が品質の高い翻訳文を作っているのに、何故認知デブリーフィングという翻訳の素人の方々が翻訳の検証作業に必要なのでしょうか?

その理由は、実際に翻訳文を読む方々、つまり質問票の翻訳のケースなら、治験を受ける方々と同じ病気を持ち、年齢や学歴など様々なバックグラウンドをお持ちの方に質問の意図を含めて理解していただく必要があるからです。 プロの翻訳家が書く日本語は、往々にして難しい言葉が使われていたり、患者の間で一般的に使われる言葉が選ばれていなかったりします。 認知デブリーフィングをすることでそれらの問題点が浮き上がってくるのです。

このように認知デブリーフィングを通じて、実際に翻訳文を読む方々に翻訳文が質問の意図を含めて通じるかどうかをテストし、 翻訳文を検証することを言語検証(Linguistic Validation)と呼びます。

認知デブリーフィングの方法


認知デブリーフィングの方法は様々ですが、ここでは代表的な手順をご紹介します。

1.メール、ファクスまたは郵便で翻訳文を御協力者にお送りします。
2.御協力者様におかれましては、翻訳文を読み、理解が難しい言葉や文章に○をつけておいて下さい。
3.当社の担当者によるインタビューを受けて頂きます。
インタビューは電話による場合と直接面談による場合のいづれかとなります。
全てが適切に理解されているかを確かめるために、翻訳文を一文ごとに自分の言葉で言い換えて頂きます。その他、御意見を伺います。

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